2025年9月27日土曜日

第20回陰陽道史研究の会のお知らせ

 20回「陰陽道史研究の会」を、以下の通り京都にて開催いたします。


今回は当会呼びかけ人であった故・斎藤英喜さんを追悼するとともに、
陰陽道にとどまらず、神話・天皇制・神楽と壮大な広がりを見せた斎藤さんの研究の軌跡を多角的に捉え、ときに「乗り越える」ための議論を行っていきたいと考えます。

 
日時:20251012日(日)13:0017:30
会場:佛教大学(紫野キャンパス)15号館1階ホール・妙響庵
https://www.bukkyo-u.ac.jp/olc/access/
(
バス停「千本北大路」下車 西へ徒歩3)

13:00
15:00  
舩田淳一氏 「斎藤英喜氏の学問を〈読み直す〉ための予察」
小池淳一氏 「斎藤英喜の陰陽道研究といざなぎ流」
山下久夫氏 「斎藤英喜の「近世神話」論をどう考えるか――「中世神話」論との関連など――

15:30
17:00 討論  
司会 鈴木耕太郎氏  コメンテーター 渡勇輝氏

18:30
頃~ 懇親会 (京都駅周辺

※  ZOOM
でのオンライン配信を予定しています。下記フォームから事前登録を頂いた方に、アドレスを送付致します。
なお、オンラインでの音声による質問は出来ません。チャットでのご参加をお願いします。

会場・配布資料の準備のため、事前登録をお願いしています。参加ご希望の方は105日(日)22:00までに下記参加フォームからご登録下さい。


なお、フォームでご記入いただいた情報は当会運営以外では使用いたしません



陰陽道史研究の会
山下克明
赤澤春彦
鈴木耕太郎
梅田千尋(連絡担当)

佛教大学
渡勇輝

2025年5月19日月曜日

第19回 陰陽道史研究の会 記録

2025年4月 第19回 陰陽道史研究の会 記録

日時:2025年4月19日(土)  於:大東文化大学大東文化会館   

■室田辰雄「文肝抄の基礎研究」
鎌倉後期、賀茂在親流の官人陰陽師、賀茂在材が編纂した陰陽道祭祀書『文肝抄』について、諸本の比較検討を行った。諸本とは歴彩館所蔵若杉家文書、宮内庁書陵部所蔵土御門家文書である。
両書を比較、検討した結果、先行研究とおり土御門家文書は若杉家文書を書写したものである。また土御門家文書本は、宝永二年に、土御門泰福が書写したものであり、泰福が書き込んだと思われる注などが確認できる。そこから天社神道への影響を与えた可能性を提案した。また、泰福はこの「文肝抄」をどのように読解したか、「小兒祭」の先祖霊を安倍大明神と解釈していたことから、安倍家伝来のテキストとして読んでいた可能性を示唆した。

■遠藤純一郎「外宮高宮に祀られた八十一枚の鏡」
『元応二年高宮御事』の記事によると、外宮高宮には八十一枚の鏡が祀られていたという。 同書では、その構成についておよそ四種の理解を示しているのだが、このうち「別宮七星加二星、九星也。豊受太神月輪也。天七十二星也云々。都合八十一星」とする組み合わせに、陰陽道の「七十二星鎮」、また密教の「安鎮法」の影響を窺うことができる。 本報告では、神道思想の内で密教・陰陽道が親しく接合する様子を明らかにし、中世思想の複合性の一端を考察した。なおこの報告は「度会常昌と慈遍(その1)」(『蓮花寺佛教研究所紀要』第十八号所収)に基づいており、詳細は拙論を参照いただきたい。

■小田 真裕「2025年からの暦・陰陽道研究のために―日本近世史・地域史研究の視点から―」
陰陽道・陰陽師・暦などに関心はあるが、研究対象の中心にはしていないような研究者や学生。そして、展示や書籍等を通じてそれらの分野への関心を強めた市民。彼・彼女たちに、2025年以降も末長く陰陽道・陰陽師・暦といったテーマに関心を持ってもらうにはどうすれば良いか。本報告では、そのための方途を考えようとした。
前半では、報告者が参加した共同研究の成果報告(『国立歴史民俗博物館研究報告』247、2024年3月、国立歴史民俗博物館学術情報リポジトリにて公開)の各記事の閲覧数を確認し、成果物自体の認知度が低いことを指摘し、各記事の読者層や使われ方を推察した。そして、共同研究の主たる研究対象であった奈良町陰陽町の暦師兼陰陽師吉川家旧蔵の資料群(国立歴史民俗博物館蔵「吉川家文書」)の研究課題を、報告者の関心に即して考え、次の3点を指摘した。①吉川家が求めた「知」と檀家や地域民衆の日常生活の関係を、吉川家文書と奈良県内の地域史料を併せて検討する。②吉川家文書に見られる「神道」文言や神道に関係しそうな内容を、神道・神道史研究の成果を踏まえて分析する。③吉川家文書のうち、あまり研究されていない近代の史料を分析する。
後半では、報告者の地元である千葉県船橋市および千葉市、および専門分野である日本近世史・地域史と「陰陽道史」の接点を探った。そして、千葉市域の史料から、①文政年間に、下総国千葉郡辺田村の百姓が、占考・祈祷・「紺屋手間」をして生計を立てており、領主側から、「無免許」での帯刀および占考と祈祷が「陰陽師之真似」と見做されたこと、②同国同郡馬加村の神職が天保年間、検見川上宿の神職が安政年間に、土御門家江戸役所から占考に係る「定」を発給されていることを紹介した。また、船橋市域の史料から、③印旛県第一大区四小区の戸長頭取が、明治5年(1872)11月に、県から太陽暦採用に係る通達を受けてから間もなく、印旛県令に、区内の人々がこれ以上混乱しないで済むように、門松・人日・新暦正月の休暇(休日)の取り計らい方を確認していたこと、印旛県から各町村に大祓・貸借金返済期限・地券明細取調(地価取決めのため)期限についての通達が立て続けに届けられていたことを紹介した。
報告のまとめでは、次の4点を指摘した。「陰陽道史」の調査・研究成果を読み、使ってもらうためには、①情報発信、②史料の使い方を伝える方法・媒体を考える、③「陰陽道史」研究者が関連する史料や記述を見出す、といったことが必要である。④関東地方の市民の関心を惹くためには、史料に見える「陰陽師」文言に注目し、領主・当事者・民衆の共通性と違いに留意しつつ、当時の「陰陽師」認識を考察することが効果的ではないか。                   

■梅田千尋(史料紹介)「若狭名田庄の土御門家関連史料について 福井県おおい町では、名田庄の土御門家関係資料を含む「谷川家文書」を町指定文化財とし、2022年度・2024年に資料集『土御門家陰陽道の歴史~名田庄・納田終の地にて~』正続2巻を刊行した。本報告では、本資料集刊行に関わった立場から、第二集の掲載史料のうち、戦国期の具注暦や陰陽道祭祀に関する史料を紹介した。なかでも、天正六・七年の具注暦断簡や「大唐陰陽書」写本について、賀茂氏断絶後に暦道を担うことになった時期の土御門家がおかれた状況に即して読み解き、研究文脈上に位置付ける試みを行った。また、都状・祭文など陰陽道祭祀関係史料についても、若杉家文書など他の資料群と比較し、その特徴について考察した。その結果、名田庄在住時代以前に京都で作成された祭文やその写本が伝来していること、また、これらの祭祀史料は名田庄において守護若狭武田氏を含む周辺の武家に対する陰陽道祭祀の際に活用された可能性があることなどを指摘した。

2025年5月17日土曜日

時間学公開シンポジウム「陰陽道と時間」のお知らせ(長崎市)

【ご案内】時間学公開学術シンポジウム「陰陽道と時間」が開催されます。


日時:2025年6月14日(土)14時00分~17時10分(開場:13時30分)

会場:活水女子大学東山手キャンパス411教室(長崎県長崎市)


【概要】時間学公開シンポジウム2025 陰陽道と時間

講師:細井浩志 (活水女子大学国際文化学部・教授、時間学研究所・客員教授)「はじめに――陰陽道研究と時間学との関係」

 赤澤春彦(摂南大学国際学部・教授) 「古代中世の占いと時刻」

 梅田千尋(京都女子大学文学部・教授) 「江戸時代の暦と陰陽師―年卦の配布と受容から」

 小池淳一(国立歴史民俗博物館・教授) 「トシガミから歳徳神へ―正月行事をめぐって―」

 林淳(東洋大学・客員研究員) 「コメント」

定員:300人

対象:一般および研究者

   参加無料・申し込み不要

主催:山口大学時間学研究所

共催:日本時間学会、活水女子大学

後援:長崎市教育委員会


http://www.rits.yamaguchi-u.ac.jp/?p=4306


・・・・・

問合せ先

山口大学時間学研究所

TEL:083-933-5848

E-mail:jikann(@)yamaguchi-u.ac.jp

    (メール送信の際は@のカッコを外してください)

2025年4月9日水曜日

第19回陰陽道史研究の会のご案内

 第19回「陰陽道史研究の会」を以下の通り東京にて開催いたします。



日時:2025年4月19日(土)11時~18時 
会場:大東文化会館 401号室
https://www.daito.ac.jp/access/kaikan.html
東武東上線 東武練馬駅 徒歩3分

11:00~12:20 室田辰雄氏「文肝抄の基礎研究」
<昼休み>
13:20~14:50 遠藤純一郎氏「外宮高宮に祀られた八十一枚の鏡」
<休憩>
14:55~16:25 小田真裕「2025年からの暦・陰陽道研究のためにー日本近世史・地域史研究の視点からー」
<休憩>
16:30~17:40 梅田千尋「若狭名田庄の土御門家関連史料の紹介」
*それぞれの報告後に個別に討論を行います。
お知らせ・告知
18:30頃~ 懇親会 


ZOOMでも配信を予定していますが、オンラインでの音声による質問は出来ませんので、予めご了承ください。 
会場準備の都合上、参加ご希望の方は4月16日22:00までに下記から申し込みを御願いします。
https://forms.gle/5hQ9k56rjL93WCjr9
ZOOMでの参加を希望される方も、申し込みを御願いします。


陰陽道史研究の会

2025年1月4日土曜日

陰陽道史研究の会参加ご希望の方へ

陰陽道史研究の会では年2回(3月~4月と9月~10月)に研究会を開催しています。

陰陽道及び関連する領域について研究されている方 
陰陽道・宗教文化に関連する卒業論文・修士論文を執筆予定の方 
陰陽道史に関係する宗教法人・博物館・史跡などに関わる方 

 など参加ご希望の方は、下記アドレス宛てにメールにて 
 氏名・メールアドレス・所属先・学年・研究テーマ(卒論などの場合予定テーマ) を明記の上お申し込みください。 追ってご案内を送付します。 

 chihiro.umeda■gmail.com 

 (↑■の箇所をアットマーク記号に置き換えて送信してください)

2024年11月29日金曜日

2024年10月 第18回 陰陽道史研究の会 記録

日時:20241019日(土)~20日(日)

1日目 午前~昼過ぎ 福井県立若狭歴史博物館を自由見学

若狭歴史博物館では陰陽道の歴史をテーマに通史を扱っていました。今回が初披露となる南都陰陽師、中尾家が所有していた祭壇や神棚が展示され、その他にも名田庄の陰陽師であった西家の許状など、民間の陰陽師を考える上で興味深い史料が展示されていました。

午後2時~4時過ぎまで研究発表が行われ、木下琢啓氏が「近代陰陽道(土御門神道)復興過程の調査」、平陽介氏が「心経会における陰陽道と陰陽師について」をテーマにお話しいただきました。報告についてはそれぞれの報告要旨(下記)をご参照ください。

 2日目 午前9時 

参加者は各自路線バス(流星号)や自家用車でおおい町名田庄、白矢の集落に集合後、天社土御門神道本庁に御挨拶しお話を拝聴しました。天壇、泰山府君社跡などを見学後、土御門家墓所や加茂神社を巡検。各地点では木下氏や梅田千尋氏が解説し参加者は理解を深めました。白矢での巡検は全体で1時間程でした。その後、白矢から暦会館へ移動し館内の見学を行いました。暦会館学芸員の山田虹太郎氏による展示解説、映像による館内の概要説明、また山田氏所蔵の暦や占いの解説書である大雑書コレクションを閲覧しました。暦会館では谷川左近家所蔵の土御門久脩天変勘文案、土御門泰重漢詩、都状、許状などが展示されていたほか、陰陽師が作成に携わっていた暦について版木や大小暦が展示され、明治の改暦以降の引き札暦から現代の生活に身近なカレンダーになるまでの品を見る事が出来ました。

 ※なお、天社土御門神道本庁では常にお話を伺えるとは限らないためご注意ください。また天壇や泰山府君社跡は天社土御門神道本庁の敷地内であり、良識ある行動をお願いいたします。 

12時に暦会館からチャーターバスや自家用車で移動し、おおい町の道の駅うみんぴあ大飯で昼食、その後おおい町立郷土史料館に向かいました。おおい町郷土資料館では、主に福井県に伝わっている晴明伝承に関する展示となっていました。

本来であれば、同館で斎藤英喜氏による講演会が企画されており、参加者は聴講する予定でいましたが、94日に同氏が逝去されたため、館内の自由見学のみとなりました。

(文責:鈴木耕太郎・山田虹太郎・梅田千尋)

 

【報告要旨】

*平陽介「心経会における陰陽道と陰陽師について」

  心経会とは、般若心経の読誦や講説あるいは書写を核としつつ、その他の要素を併せ持つ複合的な仏教儀礼である。11世紀以来各地の寺社で行われ、主に除疫や防疫を目的としていた。心経会の中には陰陽師あるいは陰陽道と密接な関係にあった事例が複数存在する。

 まず心経会と陰陽師の関係についてだが、大和国の興福寺と法隆寺、そして豊前国の宇佐宮と薦社の心経会に陰陽師が深く関わっていた。四事例ではいずれも行疫神が祀られていたと考えられる。また興福寺と宇佐宮は全く別の地域に所在するにもかかわらず、陰陽師の役割は両事例とも神前で祭文・祝詞を読誦することであった。以上二つの共通点から、心経会に陰陽師が関与した理由は、疫神祭祀を担うためであったと考えられる。

 次に心経会と陰陽道の関係についてだが、心経会史料の一部には陰陽道と縁の深い行疫神に関する記述が散見されるものがある。高野山大学図書館所蔵の『心経会法則』は心経会に際してカンジョウナワと灌頂板が作成されていたことを裏付ける興味深い史料であり、同書の敬白文や灌頂板書次第には天刑星や牛頭天王といった行疫神の名称が確認できる。前述したように心経会と疫神祭祀は深く関わっており、行疫神に対して祈りを捧げることで、除疫や防疫を祈願したと考えられる。なおカンジョウナワと灌頂板を伴う心経会は、佐渡島に点在する複数の寺社で実際に行われていたようである。

 陰陽師が心経会に関わる理由も、行疫神が心経会で重視される理由も、除疫や防疫を目的に心経会が行われていたことに求められる。(文責:平陽介)

 

木下琢啓「近代陰陽道(土御門神道)復興過程の調査」

木下は「近代陰陽道(土御門神道)復興過程の調査」と題し、ライフワークとして取り組んでいる、明治三年閏十月に発令された「天社禁止令」、いわゆる陰陽道禁止令以後の土御門家と“元”配下陰陽師たち動向と土御門神道存続を如何に図ったかについての調査報告を、写真資料を多数用いておこなった。

禁止令による土御門家の陰陽道宗家地位喪失は、同時に全国の配下が「陰陽師」の職を失う事でもあった。長年「本所」土御門家に属す配下陰陽師として諸々の特権を許されていた彼らは一転困窮し、土御門家へその実状を訴える。そこで若杉家など土御門家旧家臣たちは、新時代に即した陰陽師の形を模索。まず管理機関として「陰陽道取締本所」を置き、近代的教育システムである学校制度を使って、陰陽師を占い師であると同時に倫理規範の遵守者として育成する機関「易学講究所」の創立構想を計画していた事を、若杉家文書に残る各資料から紹介した。

土御門家旧家臣による各構想は土御門家当主 土御門晴栄の離脱で頓挫するも、陰陽道復興の機運は別の形で残り、「高嶋易断」の高嶋嘉右衛門も陰陽寮再興を訴えた。当の土御門家は陰陽道再興を近畿地方の歴代組陰陽師の子孫、さらに縁戚の三室戸家を経由して社団法人大日本陰陽会に託し、歴代組陰陽師は「土御門神道同門会」へと発展、大日本陰陽会は土御門家の奉祀する天社宮護持に寄与する事で戦後の土御門神道の復興までを切り抜けた。氏はその経緯も貴重資料を示して紹介した。

最後に、戦後から現在に至るまでの土御門神道の沿革、さらに将来に陰陽道の伝統を継承する土御門神道をどう遺していくかについても問う形で発表を締めくくった。(文責:木下琢啓)

 

 

2024年9月18日水曜日

斎藤英喜さんを偲ぶ

 本会呼びかけ人の一人である斎藤英喜さんは、かねてより病気療養 中のところ、2024年9月4日午後7時26分、左内頸動脈瘤破裂による、くも膜下出血・脳幹出血により永眠しました。ここに謹んで追悼いたします。

2015年5月頃、斎藤さんと山下との間で、陰陽道研究者の集まりをやってみたいという話が出ました。その年10月18日夕方、法金剛院・花園今宮神社の見学を終えた斎藤さん・山下と赤澤・梅田が京都駅近くで合流し、その場で瞬く間に参加者への呼びかけ・会場・開始時期など研究会の計画が具体化しました。
第一回目の研究会について斎藤さんのブログでは、下記の様に記されていました。

https://ameblo.jp/susano-saito/entry-12141498647.html
2016年3月21日 「陰陽道史研究の会」の第一回、旗揚げ研究会
まず土曜日は東京の大東文化会館で、「陰陽道史研究の会」の第一回、旗揚げ研究会。
陰陽道史の研究者が一緒に研究する場が必要ではないか、ということで山下克明先生を筆頭に、梅田千尋、赤澤春彦、それに僕の四人が「呼びかけ人」となって立ちあげた会です。
最初は10人ぐらいかなと思っていたら、予想に反して30人近い「陰陽道」の研究者の方たちが大結集しました。
以下、報告内容。
 ・山下克明「陰陽道研究の現状と課題、管見」
 ・赤澤春彦「中世陰陽道研究の覚書」
 ・梅田千尋「近世陰陽道研究の現状と課題」
 ・斎藤英喜「陰陽道の「宗教性」をめぐる研究史の整理」
会のあとの懇親会も、たいへん盛り上がりました。やはり「孤立」している陰陽道研究者にとって、こういう会を始めることの要望が強かったんだな、とあらためて思いました。でも、孤立したもの同志の「ぬるま湯」にならないように。
懇親会のあとの二次会も、楽しかったです。
思い出すと、去年の五月に、三条通りの大将軍神社で山下先生とお会いして、いろいろと話したことが、そもそもの始まりだったような(笑)
(以下略)


その後、年2回のペースで、東京と京都で会を重ねてきました。陰陽道研究の集約と情報交換の場として、論集・展示など様々な成果につなげることができました。
次回の第18回研究会では闘病を終えられた斎藤さんの御講演を拝聴し、快気祝いを兼ねて若狭の海の幸を楽しむ予定でした。が、実現には至りませんでした。
本会が、宗教学・歴史学・国文学・民俗学など様々な学問分野の研究者の参加を得られましたのも、分野を超える根源的な問いを発信してこられた、斎藤さんの魅力の賜物です。大きな構想を完成させる、その志半ばでのご逝去は、残念という言葉では言い尽くせません。
安倍晴明・いざなぎ流・折口信夫・大嘗祭…と広がる斎藤さんの神話的宇宙の中でも、陰陽道とその神々は、全てを結ぶ要だったのではないかと推察します。
現在は、自由に宇宙を駆け巡っておられるであろう斎藤さんの御遺志をこれからも引き継いでいく場として、研究会を継続していきたいと考えています。


陰陽道史研究の会 呼びかけ人  山下克明・赤澤春彦・梅田千尋