2024年9月18日水曜日

斎藤英喜さんを偲ぶ

 本会呼びかけ人の一人である斎藤英喜さんは、かねてより病気療養 中のところ、2024年9月4日午後7時26分、左内頸動脈瘤破裂による、くも膜下出血・脳幹出血により永眠しました。ここに謹んで追悼いたします。

2015年5月頃、斎藤さんと山下との間で、陰陽道研究者の集まりをやってみたいという話が出ました。その年10月18日夕方、法金剛院・花園今宮神社の見学を終えた斎藤さん・山下と赤澤・梅田が京都駅近くで合流し、その場で瞬く間に参加者への呼びかけ・会場・開始時期など研究会の計画が具体化しました。
第一回目の研究会について斎藤さんのブログでは、下記の様に記されていました。

https://ameblo.jp/susano-saito/entry-12141498647.html
2016年3月21日 「陰陽道史研究の会」の第一回、旗揚げ研究会
まず土曜日は東京の大東文化会館で、「陰陽道史研究の会」の第一回、旗揚げ研究会。
陰陽道史の研究者が一緒に研究する場が必要ではないか、ということで山下克明先生を筆頭に、梅田千尋、赤澤春彦、それに僕の四人が「呼びかけ人」となって立ちあげた会です。
最初は10人ぐらいかなと思っていたら、予想に反して30人近い「陰陽道」の研究者の方たちが大結集しました。
以下、報告内容。
 ・山下克明「陰陽道研究の現状と課題、管見」
 ・赤澤春彦「中世陰陽道研究の覚書」
 ・梅田千尋「近世陰陽道研究の現状と課題」
 ・斎藤英喜「陰陽道の「宗教性」をめぐる研究史の整理」
会のあとの懇親会も、たいへん盛り上がりました。やはり「孤立」している陰陽道研究者にとって、こういう会を始めることの要望が強かったんだな、とあらためて思いました。でも、孤立したもの同志の「ぬるま湯」にならないように。
懇親会のあとの二次会も、楽しかったです。
思い出すと、去年の五月に、三条通りの大将軍神社で山下先生とお会いして、いろいろと話したことが、そもそもの始まりだったような(笑)
(以下略)


その後、年2回のペースで、東京と京都で会を重ねてきました。陰陽道研究の集約と情報交換の場として、論集・展示など様々な成果につなげることができました。
次回の第18回研究会では闘病を終えられた斎藤さんの御講演を拝聴し、快気祝いを兼ねて若狭の海の幸を楽しむ予定でした。が、実現には至りませんでした。
本会が、宗教学・歴史学・国文学・民俗学など様々な学問分野の研究者の参加を得られましたのも、分野を超える根源的な問いを発信してこられた、斎藤さんの魅力の賜物です。大きな構想を完成させる、その志半ばでのご逝去は、残念という言葉では言い尽くせません。
安倍晴明・いざなぎ流・折口信夫・大嘗祭…と広がる斎藤さんの神話的宇宙の中でも、陰陽道とその神々は、全てを結ぶ要だったのではないかと推察します。
現在は、自由に宇宙を駆け巡っておられるであろう斎藤さんの御遺志をこれからも引き継いでいく場として、研究会を継続していきたいと考えています。


陰陽道史研究の会 呼びかけ人  山下克明・赤澤春彦・梅田千尋

2024年9月1日日曜日

【企画展示】福井県若狭地方の3博物館/資料館で「陰陽師とは何者か」展が開かれます

 特別展 「陰陽師とは何者か」

令和6年10月5日(土)~11月4日(月)
福井県立若狭歴史博物館(福井県小浜市)
おおい町立郷土資料館    (大飯郡おおい町成和)
おおい町暦会館     (おおい町名田庄)
※3館同時併催です


 昨年10月~12月にかけて、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)で開催した特別展「陰陽師とは何者か ーうらない、まじない、こよみをつくるー」は大変な反響をいただき、多くの方にご来場いただきました。
 今回、その「陰陽師とは何者か」展は安倍晴明の子孫である土御門家ゆかりの地が点在する福井県西部の若狭地域、大飯郡にある3つの博物館・資料館にて開催される事となりました。
 会期中には講演会やイベント、また入館者プレゼントなどを用意している館もありますので、振るってご来館ください。

特別展「陰陽師とは何者か」 全会場情報

第1部:陰陽師のあしあと
 福井県立若狭歴史博物館  福井県小浜市遠敷2丁目104   

・第2部:安倍晴明ものがたり
 おおい町立郷土資料館   福井県大飯郡おおい町成和2-1-1

・第3部:暦とその文化
 おおい町暦会館  福井県大飯郡おおい町名田庄納田終111‐7
ホームページ https://ooi-koyomi.info/

 

 暦会館のある名田庄納田終地区は中世に京の戦乱を避けて、土御門家が疎開した地であり、当地に3代に渡って居住しました。
 そして現在は、陰陽道の系譜にある「土御門神道(天社土御門神道,安家神道)」を今に継承している天社宮天社土御門神道本庁 を始め、旧安倍氏屋敷跡地に建つ「泰山府君社」および諸祠と祭祀場「天壇」、当地に居住した土御門家三代の当主墓所(安倍氏三卿墓所)、薬師堂、十王堂、加茂神社といった一連の「土御門史蹟」があります。本展示会観覧の後は足を延ばして史蹟散策をしてみてはいかがでしょうか。




【併催講演会①】
『土御門家と名田庄について(仮題)』講師:梅田千尋(京都女子大学教授)
日時:10月6日(日) 13:00~14:30
会場:里山交流センター ぶらっと
福井県大飯郡おおい町名田庄久坂3-21-1
お問い合わせ先:0770‐67‐3250



【併催講演会②】
 『(演題未定)』 講師:小池淳一(国立歴史民俗博物館教授)
日時:10月26日(土) 13:30~15:00
会場:福井県立若狭歴史博物館
福井県小浜市遠敷2丁目104
お問い合わせ先:0770‐56‐0525


★情報は順次更新していく予定です☆