拝啓
時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、この度は突然のお便り、失礼いたします。
近年、陰陽道に関する研究は、歴史学・民俗学などの諸分野でめざましい進展を遂げてきました。
また、2000年代初頭の安倍晴明ブーム以降も、陰陽道に素材を求めた小説・マンガ・映画などの様々な創作作品が制作され、陰陽道についての一般の認知も浸透していると思われます。
一方、近年の陰陽道研究の成果が、必ずしも周知されているとはいいがたい状況でもあります。
隣接分野の研究者や関心をもつ読者層に陰陽道研究の成果を届け、若い後継研究者を育てて研究の裾野を広げるためにも、現段階における専門知識の蓄積について概観し、論点や情報を共有する機会は必要ではないでしょうか。何より、各自個別に活動することの多い陰陽道研究者が連携する場の不在は、私たち自身が感じていた研究上の問題点でもあります。
そこで、このたび「陰陽道史研究の会」を立ち上げ、陰陽道及び隣接分野を研究されている皆さんに、ご参加をお願いする事にいたしました。
会の趣旨は、広く陰陽道研究に関する情報交換や後進の育成を目指すもので、当面、年2回程度の研究会を開催する予定です。本研究会と並行して、参加者を中心に『陰陽道事典』(仮称)の編集・刊行計画も進んでおります。また、研究論文を中心とした出版企画も持ち上がっております。勿論、これらの編纂・執筆とは別に、研究会のみの参加を希望される方も歓迎いたします。
つきましては、2016年3月に第一回の研究会を東京で催しますとともに、今後の活動につきまして、皆さんとご相談いたしたく、以下の要領で会合を持ちたいと存じます。何卒ご参集いただけますよう、お願い申し上げます。
敬具
2016年1月
呼びかけ人
山下克明
斎藤英喜
梅田千尋
赤澤春彦